ここでは製品としてかくれん本シリ-ズができるまでをイラストで紹介します。
できるまでと言っても実際には書籍(ハ-ドカバ-)と同じ工程や品質で造られています。
なぜならかくれん本は基本的にはパッケ-ジではなく本として頑丈に豪華に造られているからです。その工程の基本的なものを簡単に楽しくイラストで説明します。
ここではごく一般的な背中の丸い上製本(表紙に芯ボ-ルの入ったもの)について説明します。
本ができるまで1
紙の折り(折)
本を作るにはまず紙を折ることからスタ-トします。
折り方も本の仕様に合わせて4ペ-ジから8・16・32ペ-ジと色々な種類があります。
もちろんペ-ジが順番に揃うように折っていきます。
また本の綴じ方によっても折り方が変わってきます。
ここでは糸を使わない綴じ方でアジロ綴じ用の16ペ-ジ折を使って説明していきます。
アジロ綴じ用の折としてこのとき背中に糊が浸透し易いようにミシン目を入れながら折ります。
本ができるまで2
ペ-ジの合わせ(丁合)と中身の作製(下固め)
折り上がった同じものをABCのように積み上げてペ-ジ順に並べます。
そこから折上がった16ペ-ジの折を1枚ずつ取り数枚から数十枚重ね合わせて注文に合った本のペ-ジ数を作ります。
このときはペ-ジ数が間違わないように慎重に作業します。
ペ-ジの揃った本の背中にボンドのような糊を付けて乾燥させます。
このとき折加工の時に入れたミシン目にしっかりと糊を浸透させ折同士をしっかりと接着しバラバラにならないように注意します。
本ができるまで3
本の断裁(三方断裁)
背中に糊を塗って固まった中身を断裁していきます。
中身が出来上がった状態では折ったところがまだ袋状に閉じたままです。そこでその袋のある3つの辺を断裁という大きな包丁の付いた機械で切っていきます。
3辺を断裁することで初めて背中以外のところがバラバラになり中身が見えるようになります。
この作業でしっかりときれいに断裁されないと袋状にくっついたままのペ-ジができてしまいます。
本を読むときにペ-ジがくっついていて切った経験はありませんか?
本ができるまで4
本の背中の加工(バッキング)や補強(背貼り)
ここでは背中の丸い本について説明します。
断裁して仕上がった中身の背を仕様に合わせて丸くしたり四角くしたりします。
このとき本の表紙の開きを良くするためにミミという出っ張りを付けます。
丸くミミがでた背中に本が読んでいる間に壊れないよう、膠(にかわ)という糊を付け、その上に表紙に掛かるくらいの長さの補強用ガ-ゼを貼ります。
再びその上に膠を付けさらに厚紙を貼り同時に装幀用の花布(はなぎれ)も付けます。
本ができるまで5
表紙の作製(表紙貼り)や加工(箔押)
中身ができたらそれに合わせて表紙を貼ります。中身より表紙の方が3㍉くらい大きくなるように貼ります。
表紙となる紙の内側に膠を付けその上に芯となるボ-ル紙をのせて4辺をしっかりと折り返します。
このときしっかりと紙が芯ボ-ルに付くよう良く表と裏を擦ります。
本のタイトルや文字を入れるために貼った表紙の上から金や銀の箔を使って箔押します。
箔押は熱した版の力と熱で凸版部分の箔が表紙に付きます。
最近では豪華本以外表紙への箔押は非常に少なくなってきました。
本ができるまで6
中身と表紙の接合(くるみ)と溝つけ(いちょう締め)
丸くなった中身に糊を塗って別に貼っておいた表紙と貼り合わせます。
このとき中身と表紙の大きさの差3㍉が均等になるような見当で合わせます。
同時に本の表紙の開きを良くするためにノドの部分に溝を付けます。
最後に表紙全体と中身をしっかりと貼り合わせるために本全体を強く締め糊が乾いたら完成です。